日本の国外に居住する親族に係る扶養控除 — 年齢30歳以上70歳未満の非居住者は原則として対象から除外、ただし留学・障害者・年38万円以上の生活費・教育費の支払を受けている者は除外されない(令和5年分の所得税から適用)
一次出典は日本政府の発表(日本語)です。
令和5年(2023年)分以後の所得税から、日本の扶養控除の対象となる親族から「年齢30歳以上70歳未満の非居住者」が原則として除外されるが、① 留学により国内に住所・居所を有しなくなった者 ② 障害者 ③ 控除を受ける居住者からその年において生活費・教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者のいずれかに該当すれば除外されず、この除外措置は30歳未満・70歳以上の非居住者である親族を対象としていない。
主な情報
| 適用開始(適用関係) | 「この改正は、令和5年分以後の所得税又は令和5年1月1日以後に支払を受けるべき給与等及び公的年金等について適用されます」(改正法附則3、7①、8⑧、9③)。すなわち2023年1月1日以後に支払われる給与等・公的年金等の源泉徴収と2023年分以後の所得税から、30歳以上70歳未満の非居住者である親族を原則として除外し、イ・ロ・ハの例外に該当すれば除外しない取扱いが適用されます。 |
|---|---|
| 原則(除外)と例外(除外されない) | 原則 — 扶養控除の対象となる親族から「年齢30歳以上70歳未満の非居住者であって次に掲げる者のいずれにも該当しないもの」を除外します(所法2①三十四の二)。例外 — イ 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者/ロ 障害者/ハ その適用を受ける居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者、このいずれかに該当すれば除外されません(同条文 イ・ロ・ハ)。 |
| 除外措置の年齢の範囲 | この除外措置がかかるのは「年齢30歳以上70歳未満の非居住者」です(所法2①三十四の二)。30歳未満又は70歳以上の非居住者である親族は、この除外規定が対象とする年齢の範囲外であり、この資料(国税庁の改正のあらまし)は、その場合についての別段の除外措置を記載していません。30歳以上70歳未満であっても、イ・ロ・ハのいずれかに該当すれば除外されません。 |
| 例外を主張する場合に追加で必要となる書類(注) | 原則として除外される30歳以上70歳未満の非居住者について「イ又はハに該当するものとして」扶養控除の適用を受ける場合には、従来の親族関係書類(イに該当する場合には従来の送金関係書類も含む)に加えて、次の書類を確定申告書に添付又は提示する必要があります(所法120③三、所令262④)。イ 該当事実の証明=外国政府又は外国の地方公共団体が発行した、留学の在留資格に相当する資格をもって外国に在留することにより非居住者となった旨を証する書類(所規47の2⑨)。ハ 該当事実の証明=送金関係書類で、その親族に対する支払の金額が38万円以上であることを明らかにするもの(所規47の2⑩)。この(注)はイ・ハについてのみ記載されており、ロ(障害者)についての追加書類は、この資料に記載されていません。 |
| 源泉徴収・年末調整の段階における書類の提出 | 原則として除外される30歳以上70歳未満の非居住者である親族について、例外に該当することを理由に扶養控除に相当する控除を受けようとする場合、② 給与等及び公的年金等の源泉徴収税額の計算において、その親族が上記イに該当する旨を証する書類等を提出等しなければならず、給与所得者の扶養控除等申告書等の記載事項も整備されました(所法194①七・④、195①四・④、203の6①六・③)。③ 給与等の年末調整において、上記ハに該当するものとして控除を受けようとする居住者は、ハに該当することを明らかにする書類を提出等しなければなりません(所法194⑤⑥)。 |
最終確認:
国税庁「令和2年度 所得税の改正のあらまし」は、日本国外に居住する親族に係る扶養控除について、次の措置が講じられたと記載しています。原則として、その対象となる親族から「年齢30歳以上70歳未満の非居住者であって次に掲げる者のいずれにも該当しないもの」を除外します(所法2①三十四の二)。ただし例外として、イ 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者、ロ 障害者、ハ その適用を受ける居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者のいずれかに該当すれば除外されません(同条文 イ・ロ・ハ)。この除外措置の年齢の範囲は「30歳以上70歳未満」に限られており、この資料は、その範囲外(30歳未満・70歳以上)の非居住者である親族については、この除外措置を設けていません。例外のうちイ又はハに該当するものとして扶養控除の適用を受ける場合には、従来の親族関係書類(イに該当する場合には従来の送金関係書類も含む)に加えて、イは「外国政府又は外国の地方公共団体が発行した、留学の在留資格に相当する資格をもって外国に在留することにより非居住者となった旨を証する書類」(所規47の2⑨)、ハは「その親族に対する支払の金額が38万円以上であることを明らかにする送金関係書類」(所規47の2⑩)を確定申告書に添付又は提示する必要があります(所法120③三、所令262④)。あわせて、給与等・公的年金等の源泉徴収税額の計算(所法194①七・④、195①四・④、203の6①六・③)と給与等の年末調整(所法194⑤⑥)の段階においても、30歳以上70歳未満の非居住者である親族がそれぞれイ・ハに該当するものとして扶養控除に相当する控除を受けようとする居住者に、その事実を証する書類・明らかにする書類の提出等が求められるよう整備されました。
以下の要約は政府発表・一次出典に基づく事実整理であり、政策への評価や意見ではありません。
国レベルの制度に基づく整理です。市区町村により制度・運用が異なる場合がありますので、申請前に公式窓口でご確認ください。
よくある質問
国外に住む親族(例えば韓国にいる家族)がいる場合、2023年分から扶養控除を受けられなくなるのですか?
一律にそうなるわけではありません。この改正の原則は、扶養控除の対象となる親族から「年齢30歳以上70歳未満の非居住者」を除外することです(所法2①三十四の二)。ただし例外として、イ 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者、ロ 障害者、ハ その適用を受ける居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者のいずれかに該当すれば除外されません。また、この除外措置は30歳以上70歳未満という年齢の範囲にのみかかります。この資料は改正の内容を記載した国税庁の改正のあらましであり、個別の事案の判定手続や問合せ先は、この資料に記載されていません。
国外に居住する親族が30歳未満又は70歳以上の場合はどうなりますか?
この改正の除外規定は「年齢30歳以上70歳未満の非居住者」を対象としています(所法2①三十四の二)。したがって30歳未満又は70歳以上の非居住者である親族は、この除外措置が対象とする年齢の範囲外であり、この資料は、その場合についての別段の除外措置を記載していません。ただし、この資料は扶養控除の要件全般を記載したものではないため、この改正だけで控除を受けられるかどうかが確定するわけではありません。参考までに、30歳以上70歳未満であっても、留学・障害者・その年の生活費又は教育費に充てるための38万円以上の受領のいずれかに該当すれば除外されません。
例外(留学・障害者・38万円以上)に該当するというためには、書類が追加で必要ですか?
この資料の(注)によると、原則として除外される30歳以上70歳未満の非居住者について、イ(留学)又はハ(その年の生活費・教育費に充てるための38万円以上の受領)に該当するものとして扶養控除の適用を受ける場合、従来の親族関係書類(イに該当する場合には従来の送金関係書類も含む)に加えて、次の書類を確定申告書に添付又は提示する必要があります(所法120③三、所令262④)。イは、外国政府又は外国の地方公共団体が発行した、留学の在留資格に相当する資格をもって外国に在留することにより非居住者となった旨を証する書類(所規47の2⑨)、ハは、送金関係書類で、その親族に対する支払の金額が38万円以上であることを明らかにするものです(所規47の2⑩)。この(注)はイ・ハについてのみ記載しており、ロ(障害者)についての追加書類は、この資料に記載されていません。また、源泉徴収・年末調整の段階においても、イ・ハそれぞれについて書類の提出等が求められます(所法194①七・④・⑤⑥、195①四・④、203の6①六・③)。