不妊治療の公的医療保険適用 — 人工授精・体外受精・顕微授精(2022年4月)
一次出典は日本政府の発表(日本語)です。
日本では2022年4月から、人工授精等の「一般不妊治療」と、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」が公的医療保険の適用対象になりました。生殖補助医療は採卵から胚移植までの一連の基本的な診療がすべて保険適用され、追加的に実施される可能性のある治療のうち先進医療に位置付けられたものは保険診療と併用できます。ただし厚生労働省の資料には採卵の年齢・回数制限、施設基準等は従来の助成金と同様と記載されており、算定要件等の詳細は正式な告示・通知を確認するよう案内されているため、実際の適用可否は受診する医療機関で確認するとよいでしょう。
主な情報
| 施行 | 2022年(令和4年)4月 — 2022年2月9日の中央社会保険医療協議会で決定 |
|---|---|
| 新たに保険適用される範囲 | 人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」(それ以前は検査・原因疾患の治療が保険適用の対象) |
| 生殖補助医療の給付範囲 | 採卵から胚移植に至る一連の基本的な診療がすべて保険適用。追加的に実施される可能性のある治療のうち先進医療に位置付けられたものは保険診療と併用可能 |
| 年齢・回数 | 厚生労働省資料の「採卵」の項に「年齢・回数制限、施設基準等は助成金と同様」と記載。助成金は治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満の夫婦が対象で、通算回数は40歳未満は6回・40歳以上43歳未満は3回(1子ごと) |
| 保険適用の対象外 | 第三者の精子提供による人工授精(AID)、第三者の卵子・胚提供、代理懐胎 |
2022年(令和4年)2月9日の中央社会保険医療協議会において、人工授精等の「一般不妊治療」と、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」が、その年の4月から新たに公的医療保険の適用対象となることが決まりました。これは、日本生殖医学会が日本国内で実施されている生殖補助医療および一般不妊治療の各医療技術について有効性等のエビデンスレベルを評価し取りまとめた生殖医療ガイドライン等を踏まえたものです。「生殖補助医療」は採卵から胚移植に至るまでの一連の基本的な診療がすべて保険適用され、患者の状態等により追加的に実施される可能性のある治療のうち先進医療に位置付けられたものは保険診療と併用できます。厚生労働省の資料には採卵について「年齢・回数制限、施設基準等は助成金と同様」と記載されており、第三者の精子・卵子等を用いる生殖補助医療は保険適用の対象外と整理されました。厚生労働省は、算定要件・施設基準等の詳細については今後正式に発出される告示・通知等を確認するよう案内しています。
背景 — なぜこの改正なのか
「全世代型社会保障改革の方針」(2020年12月15日閣議決定)には、令和3年度(2021年度)中に詳細を決定し、令和4年度(2022年度)当初から不妊治療の保険適用を実施すると記載されました。保険適用が始まるまでの間は、従来の不妊治療助成制度について所得制限の撤廃、助成額の増額(1回30万円)等、対象拡大を前提とした拡充が行われました。また2021年12月20日に成立した2021年度補正予算には「不妊治療の保険適用の円滑な移行に向けた支援」67億円が盛り込まれ、移行期の治療計画に支障が生じないよう、年度をまたぐ1回の治療を経過措置として助成金の対象とすることが検討されました。
以下の要約は政府発表・一次出典に基づく事実整理であり、政策への評価や意見ではありません。
国レベルの制度に基づく整理です。市区町村により制度・運用が異なる場合がありますので、申請前に公式窓口でご確認ください。
よくある質問
どのような治療が保険適用されますか?
人工授精等の「一般不妊治療」と、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」が2022年4月から新たに保険適用の対象となりました。生殖補助医療は採卵から胚移植に至る一連の基本的な診療がすべて保険適用されます。検査(原因検索)と原因疾患に対する治療は、2022年3月以前から保険適用の対象でした(厚生労働省)。
年齢や回数の制限はありますか?
厚生労働省の資料には、採卵について「年齢・回数制限、施設基準等は助成金と同様」と記載されています。助成金事業は治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満の夫婦が対象で、通算回数は、初めて助成を受けた際の治療期間初日における妻の年齢が40歳未満であれば通算6回まで、40歳以上43歳未満であれば通算3回まで(1子ごと)でした。厚生労働省は、算定要件・施設基準等の詳細については正式に発出される告示・通知等を確認するよう案内しています。
保険が適用されない治療はどうなりますか?
患者の状態等により追加的に実施される可能性のある治療のうち、先進医療に位置付けられたものは保険診療と併用できます。先進医療の制度では、入院基本料など一般の診療と共通する基礎的部分に保険が適用され、先進医療部分は患者の自己負担となります。一方、第三者の精子・卵子等を用いる生殖補助医療(第三者の精子提供による人工授精、第三者の卵子・胚提供、代理懐胎)は保険適用の対象外です。